UVの特性

 

紫外線(UV)の種類については基本的に理解して頂けたと思いますが、ここでは更に紫外線の波長ごとの特徴をお話ししていきましょう。

 

まず近紫外線(波長380~200nm)ですが、その中のUV-A(波長315~380nm)は、太陽光線の内で5.6%が通過し、皮膚の真皮層に作用して蛋白質を変性させる特性を持っています。こうして細胞の物質交代の進行に関係し、細胞の機能を活性化させます。更にはUV-Bによって生成されたメラニン色素を酸化させるので肌が褐色に変化する現象が起こるのです。

 

UV-B(波長280~315nm)は、太陽光線の内の0.5%が通過し、表皮層に作用します。ここで色素細胞がメラニンを生成して防御の反応をします。UV-C(波長200~280nm)はオゾン層がある地表には今のところ到達しませんが、これには強い殺菌作用があり、反面生体に対する破壊性も強くなっています。遠紫外線(波長10~200nm)は、酸素分子や窒素分子によって吸収されるので地表には到達しません。

 

極端紫外線 (波長10 nm以下)は、物質の電子状態の遷移により放出され、X線との境界は曖昧になっています。30 nmの波長では、価電子帯の電子が伝導帯に遷移する時に放出されますが、更に短い波長では、内側の核電子のエネルギー状態の変化で放出されます。

 

紫外線(UV)は一般的に健康への影響の面で知られていると思います。実際人間が太陽の紫外線に長時間当たると、皮膚、目、免疫系に疾患を引き起こす可能性があります。UVA、UVB、UVCは皮膚を形成するコラーゲン繊維に損傷を与えて、皮膚の加齢を促進してしまします。

 

又、強度の強いUVBは目に危険で、雪眼炎や紫外眼炎、白内障、翼状片と瞼裂斑形成になる可能性があるので対策が必要なのです。こうしてみると、紫外線は何やら有害なものというイメージが強くなるかもしれませんが、技術てきな応用では、いろいろ活用もされています。